R95 5.4km「旅先ワシントンDCを走る」

週末を利用して家族で秋のワシントンDCを訪れていました。乗り物と動物が大好きな息子に航空宇宙博物館でアポロ計画の月着陸船を見せたり、動物園のパンダに会ったり、スミソニアン博物館群や米国建国の歴史がうかがえる建造物を訪れるのは、まさに米国の首都ワシントンDC観光の醍醐味です。

でも密かに何よりも楽しみにしていたのは旅行先で走ることでした。どの街にもランナーはいて、それぞれの街のベストな場所には一番多くのランナーが集まり、毎日のように走るホームコースになっているはずです。そこを走ってその街の空気を感じれば、きっと忘れられない旅の思い出になります。

Nike+のウェブサイトによると、アーリントン墓地からポトマック川のアーリントン橋を渡りリンカーンモニュメントとその先のプールを一周する「モニュメントループ」と呼ばれるルートや、ポトマック川沿いのルート、そしてワシントン記念塔を中心としたナショナル・モールがこの街で人気の走る場所のようです。Nike+のウェブサイトでは、地図上に人気のルートが分かるHeat Map(走っている人が多い場所ほど赤くなる)を表示出来るので、どこに行っても走るルートを見つけられそうです。

ナショナルモールのすぐそばに宿泊していたので、モールの中を連邦議会議事堂の前まで行って、その後はワシントン記念塔まで走り、塔の周りを回って戻って来る5.4キロのルートを走りました。こちらがその記録です。

滞在最後の日曜の早朝6時半、外はまだ真っ暗。モールの周りには巨大な石の建築物が沢山あり、昼間は観光客でにぎわっていましたが、空が白む前の街の人影は、遠くを走るランナーだけです。モールの中には土がしかれた一直線の道があり、そこを議事堂まで走り池の周りを回って方向を変えました。ここはオバマさんが大統領の宣誓式をしたのが記憶に新しいですね。

そこから白んでくる空にそびえ立つワシントン記念塔まで2人のランナーとすれ違いました。記念塔をぐるりと回り独り占め、そしてプールの向こうにあるパルテノン神殿のようなリンカーン記念館を見るころには、アメリカ建国に立ち会ったような凄まじい錯覚を憶える程楽しい気分になっていました。走ったからこそ味わえる旅の醍醐味です。

リンカーン記念館は、1963年キング牧師がかの有名な I Have a Dream(私には夢がある)のスピーチをした場所です。1862年にリンカーンが奴隷解放宣言をしてから約100年が経過していました。あらゆる人々の平等と民主的自主政府の原則をうたった1776年のアメリカ独立宣言からは実に200年近くが経過していたことになります。

キング牧師のスピーチから50年後の現代。そしてさらに50年後の未来、この「あらゆる人々の平等と民主的自主政府」という素晴らしいアイディアが実現されることを願っています。

何を隠そう僕はアメリカ合衆国憲法が好きなのです。もっと走ろう!

休「ランナーズ天国」

日曜の今日、セントラルパーク沿いより1ブロック西の、コロンバス・アベニューでストリートフェアが開催されていました。ストリートフェアとは歩行者天国になった車道に屋台やマーケットが並び、コンサートなども行わるちょっとしたお祭りです。ニューヨークでは春から秋にかけて各所で催されます。今日はお昼前から家族でこのストリートフェアを少し見物してご飯を買い込み、午後のセントラルパークで食べることにしました。

ところで「歩行者天国」っていつ誰が考えた言葉なんでしょうね。ググってみる気はサラサラありませんが、普段どれだけ「歩行者地獄」なのかってことで排ガスを撒き散らす車が道を埋め尽くす高度成長期を想像してしまいます。それに「地獄」が名物の別府で生まれた僕には親近感があり、ノスタルジックでいいネーミングだと思います。

セントラルパークに72番通りから入りストロベリーフィールズを通って、いつも走っているパークドライブをしばらく歩き、シープメドーが見える辺りのベンチで先ほど買ったご飯を食べることにしました。ここで走る人を見ながら食べたかったのです。

その前に、パークドライブを歩いてみたらいつも走っている風景とは全く違って見えてちょっと戸惑いました。休日の午後で人が沢山いるのはもちろんですが、歩いている分、景色はゆっくり動くので目に入る範囲も広いのです。フェンスの形や歩道の縁石のつなぎ目とか、木の根っことか落ち葉とか、歩く人の表情とか子供が転んだとか。やっぱり一度歩いて一周するのも良いかもしれません。

彼岸も過ぎて涼しくさわやかな秋晴れの午後、僕と妻はカレーを、息子にはマカロニチーズを食べさせながら走る人見物です。やっぱりいいです。走る人はみんなきれいです。でも速そうな人の走り方は 特にきれいです。すぐに分かります。滑らかにそして大きく足が回転して、腕の振りも力強くそれでいて肩の力は抜けている感じ。体もブレずに左右対称、すーっと走り抜けていきます。長距離の場合は加速するのではなく一定のスピードを維持しながら走るのでフォームも一定のサイクルでリズム良く動きます。これは見ているより走りたい気分になります。

去年の今頃も歩きはじめた息子とこのあたりをよく散歩しました。そのころは走っている人を見ても「よく走るよな。」「元気いいな。」と感心はしていましたがそれ以上の興味はありませんでした。

今、目の前の「ランナーズ天国」に気がついて、僕はとてもラッキーだと思います。

さあ走ろう!

 

R84 8.8km 「ストーム」

空を見てなんとか行けるんじゃないかと家を出ましたが5キロに差し掛かる前にやっぱり雨。でもiPhoneは念のためジプロックに入れてきたし、ヘッドフォンは水洗いが出来ると宣伝しているモノなので安心です。周りのランナーも何事もないようにもくもくと走っています。

ところが雨脚はどんどん強くなるばかり。でもなんか気分がいい。周りの人たちも同じ気分だったのか、奇声を発する人や、”Are you feeling it? Yeah!”と大声で共感し合っている集団もいます。これは随分とおかしなところに足を踏み入れようとしているような。でも気分がいい。おもわずYeah!と叫んでしまいそうなくらい。

そのうち車ならワイパーをフル稼働しても前が見えないくらいのストームになってしまい、今月は毎日の走行距離のグラフの高さを10kmできれいに揃えたかったのですが、とにかくそこから最短で帰れるルートで帰ってきました。急に降ったせいでところどころ水没している場所もあり危険。嵐のセントラルパークはちょっと無茶です。

そんな無茶な嵐の夜、ギターも歌も下手カッコいい60年代のイギリスのロックバンド The KinksI Need You がぴったりでした。こちらで試聴出来ます。

もっと走りたい!

 

 

R75 10km「夏の終わり」

今日9月の第一週目の月曜日はレイバー・デー(Labor Day)のため休日です。ニューヨークではこの日を境に夏が終わります。といっても日本で「盆を過ぎた海にはクラゲが出る」というのと同じような、季節の移り変わりを象徴する節目なのです。そんなわけで休日の今日はいつもよりも早くパークへと走り出しました。そこで「はっ」としたのは、背の高いシュガーノルウェイ・メイプルの木の葉が、すっかり黄色に変わり既にパークドライブの落ち葉となっていたことでした。少しずつ夏の終わりは感じていたけど昨日までは気がつかなかったから、一日の間に様変わりしたに違いありません。まるでカレンダーどうりに季節が流れて行くことに少し寂しさを憶えます。もう戻らない夏が過ぎて行く。45回も過ぎて行く。

夕方から雲が低く雨に降られるかもしれないと、iPhoneを防水できるZIPLOCを準備したのですが、幸い降らずに気温も快適で、初めて1キロ5分30秒のペースで10キロのフルループを走ることが出来ました。休日だけあって、ベビーカーを押して走るカップルや沢山のランナーがいます。ところでいつものNike+Running Appは、登録すると自分と同じルートを走っている他のランナーのタイムや走行回数、自分との比較が出来ます。このAppを含めいくつかあるNike+のギアを使っている人で登録した人に限りますが、それを見るとなんと一番速い人は平均1キロ2分15秒のペースで回っています。ということは一周23分弱。これはプロ以外の何者でもないでしょう。あるいは自転車なのか?このペースでマラソン走ったら世界新だし。。。実際、僕が全速力でも明らかに追いつけないスピードで追い抜かれ、あっという間に遠くに消えていくランナーは沢山います。平均1キロ5分30秒のペースで走った僕は1241番目にランクインです。同じAppを使って登録した人の中で僕より速く走る人が1240人いるってことは、このセントラルパークで走っている人はいったい何人いるのでしょう。

地面を蹴る感覚が好きです。疲れてくるとただ足を持ち上げているだけになってペースも落ちるのですが、この10キロを最後までグングン蹴って走れるようになりたいっと思いはじめました。

もっと走ろう!

R73 10km「何処を走っているんだろう?」

Nike+run のグラフ

8月の走行距離

8月も終わり。今月は168キロ走りました。iPhoneのApp Nike+Running は250m毎に距離、ペース、時間を音声で教えてくれるのでモチベーションも上がるし、後からこうして成果を見ることも出来るので手放せません。セントラルパーク内の9.7kmループを走って回れるようになるなんて、ジョギングを始めた4ヶ月前には想像も出来ませんでした。何しろ500m先の公園の入り口まで走ってたどり着つけないくらいでした。それが1キロ、2キロ、レザボアを一周して5キロ。ループに出よう。そしてついに目標にも置いてなかった10キロです。でも今は8キロを超えたあたりでは、心肺も筋肉もフル稼働だからもう少し走り込んで余裕を持ちたいところです。それから左の足首と足の付け根の内側がいつも痛くなるので、左右対称に体が動いてなくて部分的に負担がかかっているのではないかと感じています。当面は距離を伸ばすのではなく「なるべく速く楽しく走る」を目標にフォームの研究などしようと思います。

ループには起伏やカーブがあって、ある場所を超えるとその先は楽だとか、次のカーブを曲がると急坂なので心構えをしなきゃとか、見通しがよく気持ちよくなって思わずペースが上がるとか、一周の間にもストーリーがあります。今日は走っていて、自分の人生がラン二ングのコースだったら、僕は今何処を走っているんだろう?という考えがふと浮かび、あの頃は完全にコースから転げ落ちてたとか、40歳で「Over the hill」は無いだろうとか、あれこれ考えたあげく目の前にある坂を前に、もっともっと沢山の坂を越えて、そして坂を上りきる度に楽しいことだけが待っているに違いない、そう言い聞かせていました。

HAPPY RUN

R69 5.37km「オベリスク」

走りながら季節の移り変わりや、人々や、公園の景色を楽しんでいるので、これらを写真に撮りたいと思うのだけど、Nike+RunningというiPhoneのAppで距離やスピードをモニターしながら走っているので、なかなか写真が撮れません。

当初はのんびり休み休み走ろうと思っていたのですが、このAppは250メートル毎に走行距離とペース(分/1キロ)を教えてくれるし、走り終わった後の記録も出るので、「1秒でも速く走りたい」っと自然にアスリートモードになる訳です。

これはちょうどメトロポリタン美術館の裏あたりにある、パーク内で最も古い彫刻「クレオパトラの針」です。なんとエジプト総督から贈呈されたこの長さ21m、重さ200tのオベリスク、古代エジプト王トトメス3世が建てたものというから、今から3500年以上昔の人が建造したのです。パリのコンコルド広場のオベリスクといい西洋人はオベリスクが好きですね。そしてエジプト総監は気前がいい!

西81番通りのセントラルパーク入り口からループを反時計回りに走り、最南をぐるりと回って北上し、左手にボートハウスがあるあたりから少し急な上り坂で、最初の峠です。これを一機に上りきってしばらくすると、このオベリスクが見えます。この辺りまで走ってその日あとどれくらい走るかを決めています。走るのがすっかり好きになって、これを長く続けたいと思うので無理は禁物。今日はこの写真を撮ったら、走りをトレース中のNike+が一旦終了になってやる気喪失。グレートローンの北で公園を西に横切り5キロ程で切り上げました。

R68 10km「日没が早くなった」

8月も後半。随分日が短くなりました。西81番通り。左手には古風で上品な、そして大きなコンドミニアムのビル群、右手には背の高い街路樹が連なっていて、その向こうにはアメリカ自然史博物館のプラネタリウムが見えます。正面のパークに向かい走りはじめます。パークに生い茂る木々の上に広がる夕方のやさしい青空の真ん中に、真っ白な飛行機雲が一直線に突き抜けていました。

午後7時半から走りはじめて8時過ぎにはもう夕暮れです。セントラルパーク内では街灯があるパークドライブを走るには問題ありませんが、フルループを回りきらずに、95番通りあたりでループを外れパーク内を東から西に横切る際に利用している、 レザボア(貯水池) のさらに外側のダートコースは、街灯が無く足下がよく見えずに危険なので、もう少ししたら対策を考えなければなりません。なにしろサマータイムが終わればさらに1時間早く日が暮れるわけだから、思い切って朝ランへ切り替えた方が良さそうです。しかしながら人生ですっきり早起き出来た日が一日でもあったか思い出せない程に朝は弱い。そこが問題だ。

西81番通りからパークに入りフルループを反時計回りに一周する場合、後半7から9キロあたり、最北をぐるりと回り切った後に続く上り坂が難所ではあるのですが、そのころはもう心が体を半分抜け出したような不思議な感覚になっているので、それほど辛くはありませんでした。後ろに蹴りだす足を軸にして体を前傾に気味にテコのように、腕をスロスカントリースキーのストックのように使うと、スイスイと坂を上って走れているような気がしました。

そのころ木の陰からのぞく西のそらに、半月が浮かんでいて、鈴虫の鳴き声に囲まれます。どこに住んでいても風流です。早くも秋の気配を感じています。

季節が流れるのは早いものです。

HAPPY RUN