ニューヨークにはセントラルパークがある

R154 10km

photo

3年間着たダウンジャケット。随分よれてきたし色にも飽きてしまったので、着るのは今季限りにして暖かくなったら処分しようと昨年の冬から考えていましたが、今年のニューヨーク、暦は進めどなかなか気温が上がりませんでした。でもここ2週間ほどは日中20度越えの日もあり、夜でも軽いジャケットで充分な程に春らしくなりました。あのダウンジャケットを着ることももうありません。

少し遅れ気味の進行ですが、この季節、様々な種類の花が咲き乱れます。ストリートの花壇や公園の植え込みには黄色や白のスイセンやチュウリップが咲いています。そして街路樹や公園の木々も新芽やつぼみが少しずつ大きくなり爆発寸前です。ニューヨークの街でおなじみの梨科の木には既に白い花が咲いています。セントラルパークでもモクレンや梅や桜などがそろそろ見頃になりそうです。

セントラルパークのループは走る人でにぎわっています。冬の間は夜に走る人はまばらだし、それなりのスピードで走っている人ばかりなので誰かを追い越したり、また近い距離に誰かの背中を見ることは少なかったのだけど、今は様々な人がループを走っています。また歩いている人も沢山。暖かくなりダイエットに挑戦しようと、初めてこのループを訪れた人もきっと少なくないでしょう。汗でびっしょりのTシャツを着て大きく背中で息をしている人を追い越すこともあります。

思えば一年前の僕も、セントラルパークまでの300メートル程の距離を走るのに息を切らしていました。少しずつ連続して走ることの出来る距離を伸ばし、1キロ先のレザボア(ため池)まで、そしてついにレザボアを一周して5キロ程の距離を走りきり家まで帰って来た時は妻にどれほど自慢したことでしょうか。そうやって走る楽しさを憶えながら一年が経とうとしています。いまでは10キロ走ってもどこも痛くはならないし、ハーフマラソンの距離を走ってもその足で買い物に出かけられる程に、走ることが生活の一部になっています。こうして続けられたのはやはりセントラルパークが出来過ぎなくらい美しく、ランナーにとって最高の場所だったからだと思います。

セントラルパークは南北4キロ東西0.8キロに渡り拡がる緑地公園。約3,4 K㎡の面積を誇ります。パーク内をぐるりと一周出来る9.7キロの舗装道パークドライブは、ランナーにループと呼ばれています。これは皇居の周りの約2倍の距離。この他に走る人に開放された約6.8キロの乗馬道や、レザボアの周りに整備された一周2.5キロ程の土で固められたコースもあります。土は膝にもやさしく乗馬道は森の中を走っているような爽快さが味わえ、レザボアの周りではため池の水面に冷やされた心地よい風を感じながら、もう少しすると連なる八重桜が花を咲かせます。

以前東京でお世話になっている方に寿司をご馳走になりながらこう問われました。「今や東京は世界一の都市と言ってもいい。世界中から最高品質のものが集められ食やデザイン、どれをとっても高いレベルなのに何故君は東京を離れニューヨークにいるのかい?」郷土自慢大会を持ちかけられたのだと思いましたが、僕は東京も大好きだし議論はあまり盛り上がらなかったのです。でも今なら「ニューヨークにはセントラルパークがある。」この一点だけを持ってニューヨークが世界のどの街よりも素晴らしいという主張を展開すかもしれません。それくらいセントラルパークが好きです。

デスクワークが多く、ビルに囲まれて生活している都市生活者にとって、運動は食事と同じ生命活動。だから気持ちよく走ることができる場所があるというのは、交通機関が整備されているとか、美味しいレストランや品揃えの豊富なスーパーマーケットがあることと同様に、都市を評価するうえで大変重要な要素だと思います。実は現在東京に移り住むべく計画中。走る場所がどこにあるのか調べながら進めています。きっと東京でもいい場所を見つけます。

どこにいても走りたい。

42.195kmの半分と小出監督とQちゃん

R147 21km

_DSC0058_1
5月18日に開催されるハーフマラソンに参加することにしたので、それまでの間、小出監督の著書『マラソンは毎日走っても完走できない 「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42・195キロ』に出ているレース3ヶ月前からの練習メニューを出来るだけこなしたいと励んでいます。この本、使える時間や走力のレベルに合ったトレーニング方法を丁寧に説明しているので、あまり無理をすることなく、でも効果的にトレーニングが出来そうです。それに実践的なトレーニング法が書いてあるばかりでなく、金メダリストの練習やオリンピックでのエピソードも綴られ、選手や走ることへの愛情たっぷりの良本です。苦しすぎて走るのが嫌いになってしまっては継続出来ないことを説いているし、走る準備段階の足腰づくりから説明されているので、「ちょっとダイエットのために歩くところから始めてみようかな?」という方にもおすすめです。

毎週日曜を、週に一度の20~25キロを走る日としました。昨夜はハーフマラソンの距離を走るのは2回目で、先週よりはペースも上がりましたが後半はやはりきついです。そして2時間は長いです。テンポがぴったりの音楽がかかると地面を押し出すリズムがとても気持ちよかったり景色を楽しんだり出来ますが、さすがに残り5キロ位になると疲れが溜まってしまい、終盤は徐々にスピードを上げる予定でしたが、ペースをキープするのがやっとでした。でもこの「やっと」の時間が次のステップに繋がっていくんですね。ほんの少しだけでも「やっと」をやることで心肺や足腰が鍛えられると小出監督の本は教えてくれます。

先日、女子マラソン金メダリストの高橋尚子選手が、シドニーオリンピックで金メダルを取るまでの道のりを、映像を交えながら語る『高橋尚子 激走 42.195km』というタイトルの動画をネットで見つけて観たのですが、シドニーで一番にゴールした後、きょろきょろと小出監督の姿を観客席に探す高橋選手の姿が印象的でした。その時小出監督は少しでも早く高橋選手の元に行きたいとスタジアム中を走り回っていたのです。走るのに興味もなかった以前は、シドニーオリンピックの頃もそれ以後も、テレビで「Qちゃん」「Qちゃん」と言っていてもなんのこっちゃと思っていましたが、「Qちゃん」と「小出監督」の物語は感動的です。監督の本の中に出てくるエピソードと重なる部分もあるので本と合わせて観たい動画としておすすめです。金メダルをかけて競い合ったライバル、リディア・シモン選手のインタビューも泣かせますよ。検索するとすぐ見つかります。

人生も小出監督のように信頼出来る指導者がいたらどんなにか心強かっただろうと思います。でもこればかりは自分自身の心に従うしかありません。だから2時間は長いのですが、こうして走りながら考え事をしたり自分自身と向き合える時間を持つことは力強く人生をおくるための有効なトレーニングでもあると信じはじめています。

もっと走ろう!

雪のセントラルパークを走る

R132 5K



8日金曜日から翌朝にかけてアメリカ北東部をスノーストームが襲いました。地域の航空会社が2400以上の便をキャンセルしたそうで、ここマンハッタンでは8日金曜日の午後から翌朝まで降り積もった雪は30センチ程になりました。

ストームが去った翌朝は快晴の土曜日。沢山の人達がそれぞれに雪を楽しむ休日となりました。ニューヨークはここ数年雪が少なく、昨年は一度も雪らしい雪が降らなかったので、待ってましたとにわかに興奮している自分です。

郊外での除雪状況は知らないのですが、マンハッタンでは夜どおし除雪車が走り主要な道は除雪されるし、歩道はビルのオーナーが凍結防止剤をまいたり雪を取り除いたりします。道路と歩道の間に溜まった雪の固まりがなかなか溶けて無くならず歩きにくかったりはしますが、これくらいの雪は慣れたものです。街ではその雪の固まりをひょいっと飛び越えながら走るランナーを何人も見かけました。

セントラルパーク内でも主要な道は除雪され、市民が公園で走ったり歩いたり出来るように整備されます。パークドライブや遊歩道以外は雪が残されているので、そり遊びをしたりクロスカントリースキーをしたり、雪だるまを作ったりと楽しみ方は沢山あります。パークドライブを走る人も沢山いましたが、雪道を走りトレッキングを楽しんでいる人も沢山みかけました。今日日曜日も晴れ渡り、気温も2度位にまであがりました。子供とソリ遊びを楽しんでから僕もひとっ走りしてきました。

photo連日息子の乗ったソリを丘の天辺んまで引っぱり、滑り降りるソリを後ろから走って追いかけ、下まで降りたらまた上まで引っぱり上げるというのを、40回以上は繰り返したせいで腕が筋肉痛です。でもこれだけ働いても足腰は何ともないのは普段走っているおかげです。今日はさらに追い込むトレーニングをしてみました。数日前にKindleで『マラソンは毎日走っても完走できない 「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42・195キロ』を購入して暇な時に読んでいるのですが、マラソンを走るためのトレーニング法がわかりやすく書かれていて、実践してマラソンに出たい?という気にさせます。

手始めに最後の500メートル位を全速力で走ってみました。全速力で走ることって普段の生活で無いです。それが足も腕ももうこれ以上速く強く動かせないところまでグングン動かして走るのだから、別次元で気持ちよかったです。実は41才の誕生日の朝、ちっと孟ダッシュする事情が生じたのですが、10歩も進まないうちに足が絡まり転倒してしまいました。イメージに体がまったくついて行けなかった訳です。無理もありません。おそらく過去10年は全速力で走るなんてしてなかったんだから。

今回は普段走っているおかげで転ぶことはありませんでした。全速で走ると体中が飛び跳ねる衝撃で揺れて、股関節も最大限に動き、頬も震えているのがわかります。まるで競争馬になったような気分でした。他人からどう見えたかは知りませんが。

全速力で走り心肺や筋肉をギリギリまで追い込むことでそれらの機能を高めることが出来るのですが、ランニングフォームを整えるのにも最も効果があるそうです。

雪景色を楽しみながら今日はひと味違ったランニングが出来ました。

photo copy

明日も走ろう!

R115 10k 初夏から冬の755キロ

早いもので12月も後半。クリスマスもまじかです。いつも走り始める自然史博物館の裏のコロンバスアベニューはもみの木売り場になっています。今年もここでツリーを購入して我が家はもみの木のいい香りがします。

思い立って走りはじめてから半年が過ぎ、走行距離も755キロになりました。木々が一斉に葉を出し花咲き誇る春が終わり、緑が深まる初夏、乗馬道に出来た木の葉のトンネルを潜り、レザボアまで息を切らしてようやくたどり着きました。夏には何百ものホタルの光が舞い、夏の終わりにはループの最北の坂を駆けながら、虫の鳴き声に囲まれました。大雨に降られてずぶ濡れのになりながらキンクスを聴きました。秋には黄色やオレンジに色づいたパークドライプは沢山の走る人達で賑わいました。そして冬、幹と枝だけになった木のシルエット越しに見るミッドタウンの明かりや寒空に浮かぶ月を眺めなら走ります。

実は、きっとこのように素晴らしいものになるだろうと走り始める時に予想していたのですが、半年が経過して生活の中にとても有意義な時間と空間がしっかりと出来上がりました。長く続けたいと思います。そのために永遠の命が欲しいところです。

タイムは9月の嵐の夜に走って体調を崩して以来延びていないのですが、足が痛くなることが少なくなりました。色々情報を集め試しています。最近は腹筋を意識して走っているのですが、そうすることで体をよりよくコントロールでき、着地のタイミングを遅くして足の裏や膝にかかる負担が軽減出来るようです。

バスケットボールやバレーの選手がジャンプして空中で止まっているように見えるのは、腹筋で体を制御しているからなのです。地面をなめるように走る感覚なのですが、これはマラソンなど長く走る場合には特に有効なフォームなのだそうです。

今夜のiTunes best は中島美嘉のAROMA。乾いたドラムを背景にしっとりとしたギターとエレクトリックピアノ、そして彼女の歌声がJazzyに絡み合い、軽〜くフィアットに乗ったルパン三世が去って行きそうな夜でした。

R108 6km セントラルパークに冬到来

11月最終日です。今月は月初にハリケーンが去ったと思いきや一気に気温が下がり8日には初雪&積雪を記録しました。ニューヨークマラソンが開催されるはずだった日を境に夜のセントラルパークを走る人もめっきり減っています。初めて走る冬。寒さの中で走るのは備えがいるもので最近になってようやく気温に合わせて上手く対策出来るようになりました。

気温5度くらいならば、ハーフジッパーの長袖トップスに下はランニング用のタイツ、そして軽めの手袋が快適です。汗が出るくらいに保つのが良いようで、体が暖まるにつれ少しずつハーフジッパーの襟元を開けて温度調節しています。気温0度近くまた風のある時はその上に風を通さないジャケットを着て、手袋も少し厚めにすると1時間走っても凍えることはありません。それから腰回りも冷えるのでタイツの上に短パンを履くと大事な部分も守られます。

これが分かるまでに何度も寒い思いをして体調を崩しました。おかげで今月の走行距離は80キロに達しませんでした。

でも慣れてくれば冬の公園を走るものいいもの。何が違うかというとそれは景色です。ニューヨークにある木々はそのほとんどが落葉樹。夏には鬱蒼とした葉っぱに覆われた木々の、その向こうにのぞく少しの空の下に延びるパークドライブを走っていましたが、紅葉が終わりすっかり木々の葉は落ちてしまい、どこもかしこも幹と枝だけになってしまいます。枝だけになった木のシルエットが澄んだ空を背景にきれいです。動物の進化の枝分かれを思い起こさせる神秘的な造形。そして見える空は広く、また遠くミッドタウンのビル群もよく見えます。夏には気がつかなかったけど、パークドライブ北部の坂道を下る時、崖の向こうには街が広がっています。

数日前、満月で澄み切った冬の夜空の下を走った時は、踏みしめるアスファルトが間違いなく地球の大地。宇宙に浮かんだ地球の大地を蹴り進んでいる実感があり、何度も遠くのビルの明かりや月や月の近くにあった木星を見ながら、その実感を踏みしめていました。

これからもっと寒くなり氷点下の日々、氷の世界のニューヨークが訪れますが、冬を走るコツが掴めてきたので、また走行距離やスピードを少しずつ増して冬を楽しみたい。

もっと走ろう!

R99 10k「ニューヨークシティ・マラソン2012を走る」

10月29日の夜ニュージャージーに上陸した大型ハリケーン・サンディは、アメリカ東部に大きな被害をもたらしました。ニューヨーク市を襲った高波は4.2メートルに達し、65万人が停電の影響を受け、クイーンズ区では火災が起き50件が全焼しました。11月4日に開催予定のニューヨークシティ・マラソン、市長はまだ全体の被害状況がわからない30日のアナウンスでは、予定どおり開催するとしていました。

ニューヨークシティ・マラソンは1970年から毎年開催され、約4万人が参加するレースで、世界中からランナーが集まり日本からもツアーが組まれる程人気があります。コースはニューヨーク市の5区全てを通り、最後はセントラルパーク内を半周程走りゴールします。ハリケーンが去った後、沢山の木がなぎ倒されていたに違いありませんが、コース内の整備、横断幕やパーク内のゴール付近にもうけられた報道用の施設、仮設トイレなど急ピッチで復旧、準備が進められていました。

一方ハリケーン・サンディの残した爪痕は深く、マンハッタン南部の電力がほぼ回復したのは3日。スタート地点のスタテンアイランドの被害は大きく現在も電源は失われたままです。そんな中、報道用の強力な発電機を備え、スポーツ飲料をランナーに配り、警備にも多くの人員が必要なマラソンの開催に対して、市民からの反対の声が日に日に大きくなりました。そして開催日の2日前、ついに市と主催者は中止を決定しました。レースを開催するための労力や物資を復旧の為にまわす必要はなかったが、市民の対立が起きていることが明らかになり、それは復旧の速度を鈍らせる危険があると中止の理由を述べています。

約3億4千万ドル(約270億円)の経済効果があるとされるマラソン、911の年にも開催されたし、出来ればやりたいと主催者は願っていたと思いますが、さすがにまだ電気も復旧しておらず、必要な物資も不足している被災地でマラソンをやるのは少し無理があったようです。ギリギリまで頑張ったけどあきらめたということだと思いますが、現状を見れば中止されたのは当然のようです。

さて、気温は8度の快晴。マラソンも中止になったし久しぶりにセントラルパークを走ろうと午前中に出かけました。マラソン開催日のはずだった今日、多くのマラソンランナー達はニューヨークマラソンの参加者がもらえるオレンジ色のシャツを着て、物資の足りない被災地に走って物資を届けるというボランティアに参加するとのことでした。

ところが、公園に入るとパークドライブには道を埋め尽くす程多くのマラソンランナーがレースさながらに走っています。その格好からマラソンに参加する予定だった人達とすぐにわかりました。なんとコースの周りには応援する人や、飲みのもやキャンディーを配る人などで賑わっており、いたる所でベルを鳴らして「You look good today. Keep it up. Keep it up. You can do it」などと応援してくれます。「お父さん頑張って!」と書いたパネルを持って応援する子供や、バグパイプを吹いて応援する人、いろんな国の国旗も目にしました。

走っている人もニュージーランド、メキシコ、スイス、オーストラリアなど海外から来た人も沢山います。また、家族の写真がプリントされたシャツを来て走っている女性や、「Run for 〇〇(人の名前)」と書かれたシャツを着ているランナーなど、なにかそれぞれのストーリーを胸に走っている様子がうかがえました。なにしろマラソンを走るにはそれなりの時間を使ってトレーニングを重ね準備をしていたはずですし、抽選の倍率は高く数年かかってようやく権利を得たというランナーもいるはずです。まして海外からの参加となれば、もう2度とチャンスはないという人もいるかもしれません。走らずにはいられなかったのでしょう。

図々しくもそんな特別なイベントに紛れ込んで走ったのですが、最初は沿道の応援が照れくさくて目を合わせられなかったのに、次第に気分が良くなりそのうち笑顔で返していました。いつもの一周10キロを走ったのにニューヨークマラソンを走ったような気分を味わえました。マラソンなんて無理だろうと思っていましたが、沿道の人達に応援されながら沢山のランナーと一緒に走るんだったら、それはさぞかし楽しそう。

マラソンは中止になりましたが、集まったランナーにとっては忘れられない思い出になったことでしょう。

来年はマラソンを走る?

 

ハリケーン・サンディで受けた被害からの復旧のための寄付とボランティア情報

CBS NYの情報:Where To Donate Or Volunteer To Sandy Relief Effort

NYC.gov  Hurricane Sandy Relief

黒部エリぞうのNY通信: 台風サンディの爪あとと、ボランティア情報

 


休 「ハリケーン・サンディでも走る人達」

ハリケーン・サンディが接近しています。今東海岸を北上中でまもなくニュージャージーに上陸します。ニューヨーク市では28日夜より地下鉄とバス、鉄道に飛行機全てがストップしていて、今日29日は外に出ないようにと市長より指示があり、沿岸部の地域では避難命令が出ています。さらに現在マンハッタンに繋がる全ての橋とトンネルは封鎖されています。昨夜の時点ではまだ雨も風も無かったので走りに出たのですが、セントラルパークも既に閉鎖されていたのでやむなく公園の周りを3キロ程走りました。

今日も雨はそれほど降っていないのですが、満潮で高潮の上にハリケーンの低気圧で引き上げられた海が風で海岸線に打ちつけて沿岸部を水没させています。倒木が原因で停電の地域もあるようです。幸い僕の住むエリアは避難地域ではないのですが、木が倒れたり停電になる可能性は否定出来ないのでおとなしくしておいた方が良さそうです。

しかし、おとなしくしていない人たちがいました。お昼過ぎ、少しずつ雨風が強くなってきていましたが、黙々と走るランナーは少なくありません。公園には入れませんが、周囲の歩道は信号が少ないので走りやすいのです。所々に出来た水たまりをぴょんぴょん飛び越えながら楽しそうです。観察したところ、男女比は同じくらいで年齢は30代以上が殆どの印象でした。それなりの年齢にならないとちょとストイックな気分で自分を虐める快感は味わえないのかもしれません。

日本の台風では「雨漏りがしないか屋根の様子を見に行って転落して大怪我をした」とか、「海の様子を見に行って波にさらわれた」といったニュースを毎年のように耳にします。近年のジョギングブーム、「ちょっと走りにいって倒木の下敷きになった」なんてニュースを耳にするかもしれません。何しろ僕も走りたくてしかたありませんでした。でも先月嵐の夜に走って体調を崩したし、そこはぐっと我慢しました。ニューヨーク市長も「じっとしてなさい」と言ってたし。

ハリケーン一過を待って走るよ!

 

– 追記 −  一夜明けて

ハリケーン・サンディはアメリカ東部に甚大な被害をもたらしました。地下鉄の完全復旧には1週間かかるそうで、マンハッタンでもダウンタウンではまだ停電が続いています。昨夜はそれほど風の音がしなかったので、このあたりは被害は出ないだろうと感じていましたが、外へ出るとあちらこちらで巨木がなぎ倒されていました。上の写真はいつも僕が走り始める場所です。復旧に向けご尽力されている方々に感謝します。そして一日も早い復旧を祈ります。

 

休「ランナーズ天国」

日曜の今日、セントラルパーク沿いより1ブロック西の、コロンバス・アベニューでストリートフェアが開催されていました。ストリートフェアとは歩行者天国になった車道に屋台やマーケットが並び、コンサートなども行わるちょっとしたお祭りです。ニューヨークでは春から秋にかけて各所で催されます。今日はお昼前から家族でこのストリートフェアを少し見物してご飯を買い込み、午後のセントラルパークで食べることにしました。

ところで「歩行者天国」っていつ誰が考えた言葉なんでしょうね。ググってみる気はサラサラありませんが、普段どれだけ「歩行者地獄」なのかってことで排ガスを撒き散らす車が道を埋め尽くす高度成長期を想像してしまいます。それに「地獄」が名物の別府で生まれた僕には親近感があり、ノスタルジックでいいネーミングだと思います。

セントラルパークに72番通りから入りストロベリーフィールズを通って、いつも走っているパークドライブをしばらく歩き、シープメドーが見える辺りのベンチで先ほど買ったご飯を食べることにしました。ここで走る人を見ながら食べたかったのです。

その前に、パークドライブを歩いてみたらいつも走っている風景とは全く違って見えてちょっと戸惑いました。休日の午後で人が沢山いるのはもちろんですが、歩いている分、景色はゆっくり動くので目に入る範囲も広いのです。フェンスの形や歩道の縁石のつなぎ目とか、木の根っことか落ち葉とか、歩く人の表情とか子供が転んだとか。やっぱり一度歩いて一周するのも良いかもしれません。

彼岸も過ぎて涼しくさわやかな秋晴れの午後、僕と妻はカレーを、息子にはマカロニチーズを食べさせながら走る人見物です。やっぱりいいです。走る人はみんなきれいです。でも速そうな人の走り方は 特にきれいです。すぐに分かります。滑らかにそして大きく足が回転して、腕の振りも力強くそれでいて肩の力は抜けている感じ。体もブレずに左右対称、すーっと走り抜けていきます。長距離の場合は加速するのではなく一定のスピードを維持しながら走るのでフォームも一定のサイクルでリズム良く動きます。これは見ているより走りたい気分になります。

去年の今頃も歩きはじめた息子とこのあたりをよく散歩しました。そのころは走っている人を見ても「よく走るよな。」「元気いいな。」と感心はしていましたがそれ以上の興味はありませんでした。

今、目の前の「ランナーズ天国」に気がついて、僕はとてもラッキーだと思います。

さあ走ろう!

 

R75 10km「夏の終わり」

今日9月の第一週目の月曜日はレイバー・デー(Labor Day)のため休日です。ニューヨークではこの日を境に夏が終わります。といっても日本で「盆を過ぎた海にはクラゲが出る」というのと同じような、季節の移り変わりを象徴する節目なのです。そんなわけで休日の今日はいつもよりも早くパークへと走り出しました。そこで「はっ」としたのは、背の高いシュガーノルウェイ・メイプルの木の葉が、すっかり黄色に変わり既にパークドライブの落ち葉となっていたことでした。少しずつ夏の終わりは感じていたけど昨日までは気がつかなかったから、一日の間に様変わりしたに違いありません。まるでカレンダーどうりに季節が流れて行くことに少し寂しさを憶えます。もう戻らない夏が過ぎて行く。45回も過ぎて行く。

夕方から雲が低く雨に降られるかもしれないと、iPhoneを防水できるZIPLOCを準備したのですが、幸い降らずに気温も快適で、初めて1キロ5分30秒のペースで10キロのフルループを走ることが出来ました。休日だけあって、ベビーカーを押して走るカップルや沢山のランナーがいます。ところでいつものNike+Running Appは、登録すると自分と同じルートを走っている他のランナーのタイムや走行回数、自分との比較が出来ます。このAppを含めいくつかあるNike+のギアを使っている人で登録した人に限りますが、それを見るとなんと一番速い人は平均1キロ2分15秒のペースで回っています。ということは一周23分弱。これはプロ以外の何者でもないでしょう。あるいは自転車なのか?このペースでマラソン走ったら世界新だし。。。実際、僕が全速力でも明らかに追いつけないスピードで追い抜かれ、あっという間に遠くに消えていくランナーは沢山います。平均1キロ5分30秒のペースで走った僕は1241番目にランクインです。同じAppを使って登録した人の中で僕より速く走る人が1240人いるってことは、このセントラルパークで走っている人はいったい何人いるのでしょう。

地面を蹴る感覚が好きです。疲れてくるとただ足を持ち上げているだけになってペースも落ちるのですが、この10キロを最後までグングン蹴って走れるようになりたいっと思いはじめました。

もっと走ろう!

R73 10km「何処を走っているんだろう?」

Nike+run のグラフ

8月の走行距離

8月も終わり。今月は168キロ走りました。iPhoneのApp Nike+Running は250m毎に距離、ペース、時間を音声で教えてくれるのでモチベーションも上がるし、後からこうして成果を見ることも出来るので手放せません。セントラルパーク内の9.7kmループを走って回れるようになるなんて、ジョギングを始めた4ヶ月前には想像も出来ませんでした。何しろ500m先の公園の入り口まで走ってたどり着つけないくらいでした。それが1キロ、2キロ、レザボアを一周して5キロ。ループに出よう。そしてついに目標にも置いてなかった10キロです。でも今は8キロを超えたあたりでは、心肺も筋肉もフル稼働だからもう少し走り込んで余裕を持ちたいところです。それから左の足首と足の付け根の内側がいつも痛くなるので、左右対称に体が動いてなくて部分的に負担がかかっているのではないかと感じています。当面は距離を伸ばすのではなく「なるべく速く楽しく走る」を目標にフォームの研究などしようと思います。

ループには起伏やカーブがあって、ある場所を超えるとその先は楽だとか、次のカーブを曲がると急坂なので心構えをしなきゃとか、見通しがよく気持ちよくなって思わずペースが上がるとか、一周の間にもストーリーがあります。今日は走っていて、自分の人生がラン二ングのコースだったら、僕は今何処を走っているんだろう?という考えがふと浮かび、あの頃は完全にコースから転げ落ちてたとか、40歳で「Over the hill」は無いだろうとか、あれこれ考えたあげく目の前にある坂を前に、もっともっと沢山の坂を越えて、そして坂を上りきる度に楽しいことだけが待っているに違いない、そう言い聞かせていました。

HAPPY RUN

R69 5.37km「オベリスク」

走りながら季節の移り変わりや、人々や、公園の景色を楽しんでいるので、これらを写真に撮りたいと思うのだけど、Nike+RunningというiPhoneのAppで距離やスピードをモニターしながら走っているので、なかなか写真が撮れません。

当初はのんびり休み休み走ろうと思っていたのですが、このAppは250メートル毎に走行距離とペース(分/1キロ)を教えてくれるし、走り終わった後の記録も出るので、「1秒でも速く走りたい」っと自然にアスリートモードになる訳です。

これはちょうどメトロポリタン美術館の裏あたりにある、パーク内で最も古い彫刻「クレオパトラの針」です。なんとエジプト総督から贈呈されたこの長さ21m、重さ200tのオベリスク、古代エジプト王トトメス3世が建てたものというから、今から3500年以上昔の人が建造したのです。パリのコンコルド広場のオベリスクといい西洋人はオベリスクが好きですね。そしてエジプト総監は気前がいい!

西81番通りのセントラルパーク入り口からループを反時計回りに走り、最南をぐるりと回って北上し、左手にボートハウスがあるあたりから少し急な上り坂で、最初の峠です。これを一機に上りきってしばらくすると、このオベリスクが見えます。この辺りまで走ってその日あとどれくらい走るかを決めています。走るのがすっかり好きになって、これを長く続けたいと思うので無理は禁物。今日はこの写真を撮ったら、走りをトレース中のNike+が一旦終了になってやる気喪失。グレートローンの北で公園を西に横切り5キロ程で切り上げました。

R68 10km「日没が早くなった」

8月も後半。随分日が短くなりました。西81番通り。左手には古風で上品な、そして大きなコンドミニアムのビル群、右手には背の高い街路樹が連なっていて、その向こうにはアメリカ自然史博物館のプラネタリウムが見えます。正面のパークに向かい走りはじめます。パークに生い茂る木々の上に広がる夕方のやさしい青空の真ん中に、真っ白な飛行機雲が一直線に突き抜けていました。

午後7時半から走りはじめて8時過ぎにはもう夕暮れです。セントラルパーク内では街灯があるパークドライブを走るには問題ありませんが、フルループを回りきらずに、95番通りあたりでループを外れパーク内を東から西に横切る際に利用している、 レザボア(貯水池) のさらに外側のダートコースは、街灯が無く足下がよく見えずに危険なので、もう少ししたら対策を考えなければなりません。なにしろサマータイムが終わればさらに1時間早く日が暮れるわけだから、思い切って朝ランへ切り替えた方が良さそうです。しかしながら人生ですっきり早起き出来た日が一日でもあったか思い出せない程に朝は弱い。そこが問題だ。

西81番通りからパークに入りフルループを反時計回りに一周する場合、後半7から9キロあたり、最北をぐるりと回り切った後に続く上り坂が難所ではあるのですが、そのころはもう心が体を半分抜け出したような不思議な感覚になっているので、それほど辛くはありませんでした。後ろに蹴りだす足を軸にして体を前傾に気味にテコのように、腕をスロスカントリースキーのストックのように使うと、スイスイと坂を上って走れているような気がしました。

そのころ木の陰からのぞく西のそらに、半月が浮かんでいて、鈴虫の鳴き声に囲まれます。どこに住んでいても風流です。早くも秋の気配を感じています。

季節が流れるのは早いものです。

HAPPY RUN